スイスの夏休み(?)@大学院

こんにちは!管理人のおもちです。
まだまだ暑い盛りの日本と異なり、8月中旬ともなると肌寒い日が出てくるスイスの今日この頃です。7月中旬〜9月中旬あたりでバケーションラッシュが続きますが、今回は新学期が始まる前の初めての夏を振り返ってみたいと思います。

夏はロングバケーションのシーズン

現在のラボでの休暇のシステム

今のラボでは、休暇を取る際には教授に一言申し出れば基本的にOKです。自分のラボミーティングがある時など、重要な時期は避けている印象ですが各々が決めて構いません。ラボ内の博士課程の学生のディフェンス(公聴会)にバケーションで出席しなかった同僚もいます笑。

博士課程でも休暇を年間4週間分もらえているため、その規定に合うように休暇をとっていきます。休暇を取得したら、学内の出勤簿システムに休暇日時を書き込んでいきます。私は年末に一時帰国する予定なのと、ラボに入ってまだ4ヶ月しか経っていないので夏のバケーションは取りませんでした。

研究室で共有しているカレンダーに全員の休暇の予定が書かれているので、誰がどの時期にいないのかもすぐにわかります。

連絡の途絶えた教授

休暇を取るのは当然教授も例外ではなく、3週間ほど不在でした。休暇前のラボミーティングで、「この時期はちょっと電波の悪いところに行くから、メールを返せない」と言われた時の衝撃笑。日本にいるときに、夏休みだろうがなんだろうが指導教員と連絡が途絶えたことがなかったのでびっくりしました。

あらかじめ皆の予定がわかっているので、休暇中の同僚や教授にメールをすることはほぼありません。しかしたまに論文が査読から返ってきて教授がおらずてんやわんやする、ということもあるようです。それに文句や不満が出ないあたり、「バケーションなら仕方ないよね」の意識がはっきり見えて面白いです。

進まぬ事務手続き

9月からの新学期で、事務手続きを7〜8月に要する人も多いはずですが、担当者が不在のことがままあるので注意です。

かくいう私も、所属する学科(学部?)に研究計画書などの申請書を出す必要があったのですが、教授のバケーションや共同指導員の予定などを組み込んで申請書を書き上げなければなりませんでした。特に、共同指導員の休暇の予定が分からなかったので、彼女からもらうべき書類が最後まで揃わず焦りました。

前にどなたかのサイトで、渡航に必要な書類集めがバケーションの時期に重なり大変な思いをした、というお話を見たことがあります。夏の終わり〜秋の初めに何かのイベントを控えている方は、その準備期間のバケーションを考慮するのが得策です。

動物実験をするための資格試験

これは別に夏限定ではないので、ここで書く必要はなかったのですが…。単体で書いても特に面白くないので、ここで供養します笑。

動物福祉(Animal Welfare)の観点からの研究者教育

スイスでは動物を用いて実験を行う場合、その前に資格取得を義務付けています。動物を実験に利用することは時に避けられません。その中で、実験動物に与えうる負荷を軽減したり、可能な限り動物を使わない実験に替えたり、実験手法を常に見直し最新の知見のもとに磨いていったりすることが重要です。

この研究者教育では、e-learningを利用して20時間分の座学が行われた後、テストを受けて合格する必要があります。また、研究者が実際に扱う動物に合わせて実習が組まれ、これも計5日間分はあります。

日本では昆虫(動物福祉の保護対象ではない)を扱っていたため、厳しい制約はありませんでした。しかし、今後は脊椎動物を扱うためこの研究者教育を受けています。

テスト

5月中旬からe-learningを始めて、終えたのが6月中旬〜下旬でした。20時間分もあるのでやはりそれなりに時間がかかっています。そして、座学のテストは8月中旬にチューリッヒで開催されました。2ヶ月に1度ほどの頻度でテストがあるようです。

テストは合計20問のマークシート式で、複数回答があるタイプです。紙媒体なら持ち込み可で、しかも60%の正答率で合格らしいのですが、受験前はハラハラしていました。なんせ語学テスト以外で初めて英語で受けるテストだったもので….。テスト3日前から対策をして臨みました。

たぶんなんとかなったんじゃないかな….(合否判明は3週間後)

同僚の博士課程のディフェンス

これはいずれきちんと書こうと思いますが、この大学での博士課程のディフェンスを初めてみました。
基本的な流れは日本と同じで、博論提出→公聴会(ディフェンス)→審議の流れです。審議会に認められれば、晴れて博士号を取得できます。(書いてて思いましたが、事務手続き進まないのにディフェンスはやるんですね。)

感想としては、「数年後(クビになってなかったとして)、できる気がしないですね〜」でした。教授からだけでなく、聴衆からも質問できるので多くの質問が飛び交っていましたが、よく対応できるなあ、と思いました。前回撃沈したラボミーティングでは、もう質問を捌くどころではなかったので….。今後の自分に期待してます….。

ディフェンスの後は、みんなで写真を撮ったりBBQをしたりして、楽しく過ごしました。教授がティラミスを持ってきたりソーセージをお腹いっぱい食べたりして、ディフェンスを終えた博士学生を労います。

NCCRサマースクール(予定)

8月下旬からは5日間のサマースクールがあります。私が博士課程のポジションで応募の受け皿となっていた、NCCRというコミュニティが主催しています。2年ごとに開かれるようで、今回たまたま見つけたので研究室の同僚と共に応募してみました。

大学からスピンアウトしたベンチャー事例をもとにした、ビジネスプランニングがサマースクールの中心課題のようです。修士の頃さんざん講義を受け一応予算までついたビジネスプランニング、またか…と思いつつ、滅多にない機会なので行ってきます。

これについても終わって時間がある時に書いてみようと思います〜。とりあえず行ったことのないスイスの地域に行ける&ホテルに泊まれることを楽しみにしています笑。

おわりに

7月〜8月はバケーションシーズンで、ラボミーティングや学科内のミーティングも全くありませんでした。ラボ内での小規模ミーティングはありましたが、ほぼ誰も進捗がなくポツポツ話して終わりました笑。

かなりのんびりした空気感の2ヶ月でしたが、9月からは新学期で講義も始まります。実験で成果がいまだに出せていない博士ですが、どうにかなるように気を引き締めて励んでいきます!(泣)