スイスでの研究生活

2023年12月2日

こんにちは、管理人のおもちです!
スイスに来てすでに3ヶ月が経とうとしている今日この頃です。時が経つのが早すぎて恐怖です…。今回は、スイスのラボでの研究生活についてお話ししたいと思います!
(留学中の生活費についてはスイス留学の生活費、留学の経緯については海外大学院への進学を決断した話をご参照くださいね)

1日の流れ

スイスに来てからの研究室での1日は大体以下の通りです。

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7:30 – 8:30 ラボ到着
– 9:30 実験 or 論文読み
9:30 – 11:00 lab meeting
– 12:15 実験 or 論文読み
12:15 – 13:00 昼食
– 15:00 実験 or 論文読み or 資料作成
(15:00ごろにたまに休憩や誕生日会などあり)
– 17:00 実験 or 論文読み or 資料作成
17:00 – 18:00 帰宅

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スイスでは全体的に皆が朝型のような気もしますが、基本的にラボメンバーが来る時間帯は自由です。lab meeting がない日などは10時〜11時にくる人もいます。一方で朝の4時半ごろに来ているメンバーもいるのでなんとも自由です。

私は圧倒的に朝に強く夜ポンコツであるために、朝に行って夕方は早めに帰るという生活をしています。遅いと20時までかかる日もありますが、ラボメンバーも大体17時〜18時ごろには帰宅してしまいます。

各種ミーティング

スイスのラボに来てから、ミーティングの種類も回数も格段に増えたと感じます。規模もさまざまで、目的もミーティングによって異なるので、このシステムは興味深いです。

Lab meeting

1週間に1度の全体ミーティングです。持ち回り制で、45分間を使って自分の実験進捗を報告します。1回の開催で2人が行うことが多いです。

内容が実験進捗の報告ですが、背景説明からバンバン指摘が飛んでくるので恐ろしい場でもあります。私は初回のlab meetingで爆死しました。

Cluster meeting (部会)

現在のラボは扱う生物や手法に応じて複数のグループにわかれています。そのため、特定の実験系の話に終始してしまうと、別の実験系に携わっているメンバーは暇になる、ということも起こります。

そこで特定のトピックについて議論する際は、そのトピックに関連する人だけを集めてミーティングをします。例えばマウスを扱う人向けなら"mouse cluster"と名付けて、マウス関連のミーティングが1時間ほど開催されます。

one-one meeting (個別ミーティング)

教授との個別ミーティングは毎週でも可能となっています。火曜日と水曜日の午後を丸々教授が空けており、各メンバーが30分ごとのタイムスロットに自分の指定の時間を打ち込んで予約します。

メンバーによっては2日連続で入れたり、複数スロットを使って長いミーティングを行ったりしています。私も3時間に及ぶミーティングをしたことがあります…(もはや事故)。実験の進捗や計画、気になっていることなどを話します。

journal club (輪読会)

2週間に一回、ラボメンバーが面白そうな論文を持ってきて、皆で読み回します。論文選びのメンバーは持ち回り制です。開催される3日前までに論文が送られてくるので、それを事前に読み込んでおきます。

この輪読会の良い点は、該当論文の図表をFig.1からランダムに当てられた人が説明していくことです。つまり図表がn数あったら、n人が順繰りに説明することになります。事前に論文を読み込むことを促す良い案だと思います。

BC progress

BCは、Biochemistryの略称です。時期によって2週間に1度ほど開催され、生化学に関わるラボ(3グループほど)が集まって研究内容について議論します。この時、順番で博士学生やポスドクが自身の研究内容について20分ほど話し、10分間質疑応答を行います。

別のグループとの交流にもなりますし、自グループ以外の人にもわかる説明をするという点でも良いトレーニングです。教授たちからも質問が飛ぶのでなかなか緊張感があります。

seminar

外部の研究者を呼んで、60分間のセミナーが行われることがあります。多い月には毎週のように開かれていたこともありました。自分達とは別の研究について触れ、考え方や手法を学ぶ機会になっています。

このセミナーの講師を現在のラボの教授が招待したときは、大抵日中にラボメンバーと講師との1対1のミーティングが開かれます。30分ずつ自分の研究について話をして、アドバイスや意見をもらいます。

その他イベント

・誕生日ケーキ
ラボメンバーの誕生日を全員でお祝いします。その人の前の誕生日の人がケーキを作ってきて、誕生日のメンバーが全員分を切り分けるという恒例行事です。なぜみなさん老若男女問わずケーキを自作できるの?

・ラボリトリート
他のラボとの交流会で、3日間ほど何処かへ行ってミーティングを行うようです。実はまだ参加したことがありません!(追記します)

・不定期イベント(BBQやハイキングなど)
夏や冬に不定期で行われる行事です。ラボメンバーでどこか行くというのを、(コロナもあり)学部〜修士で全く行っていなかったので新鮮です。

現ラボへの感想

「日本との違い」というよりは、それぞれの研究室ごとに運営方針や方法、雰囲気が異なるので、上述したことは全て現在のラボでの研究生活です。修士の時のラボも時間の使い方など自由な点が多かったため、その意味では大きな驚きはありませんでした。

ただ、やはり議論をかなり頻繁に行い、意思決定の場にメンバー全員が参加していることは新鮮でした。透明性が高く、かつコミットメントを求められるのでメンバーの一員であるという意識も高まっていると思います。

このラボでなんとか踏ん張ります笑 まずは来月のイベントたちをなんとかせねばです。
それではまた!