スイス留学の生活費
こんにちは!管理人のおもちです。
渡航してからはや2ヶ月が経ち、だいぶ生活も落ち着いてきました。スイスで生活をするにあたり、渡航前から気になっていたのがお金の面です。今回は、スイスでの一人暮らしで実際にどの程度の費用がかかっているのかを振り返りたいと思います。
前提として
費用についてみていく際に、前提が2点あります。一つは物価の高さ。もう一つは管理人を含めた現地採用の博士学生の状況です。
世界最高レベルの物価の高さ
スイスは物価の高い国として有名です。各国の経済力を示す指数としてよく利用されているビッグマック指数によると、現在(2022年6月)世界ランキング1位です。あの北欧勢を抑えて燦然と1位に輝いていますが、留学生にとっては死活問題です。
そんなスイスのビッグマック指数は6.98で、日本の3.38と比較するとその差が歴然としていることがわかります。そのため、スイスで生活していると"これが〇〇円….!!??"と驚く場面が多いです。とはいえ、給料もその分高いので、給料が払われている立場の人であればそれほど心配せずにすみます。
私がスイスに来た際には、まだスイスの銀行口座もなく日本のキャッシュカードだけが手元にある状態でした。円安が急速に進んでいた上、スイスと日本の物価差で日本の銀行口座からの持ち出しがかなりの額になってしまい冷や汗をかきました。日本からの奨学金でスイスに留学する際には、そういった情勢も考慮してそろばんを弾く必要もあると思います。
博士課程の学生として
私はスイスの大学院の博士課程プログラムに応募し、その中で現ラボと運よくマッチング成立して博士学生として採用されました。スイスでは博士学生となればほぼ間違いなく、ラボから給料が支払われます。どうやら国の基準で定められた博士学生への最低給与水準があるようで、これに照らした給与となっています。
また、日本であればルームシェアは学部生でも珍しいと思いますが、スイスではその家賃の高さからかルームシェアが主流です。修士までの学生は2~4人(場合によってはそれ以上)の人たちでルームシェアをしている話をよく聞きます。交換留学生など、半年〜1年の滞在でもルームシェアをしている人が大半だと思います。
一方で、博士学生の場合、通常のアパートのようなキッチンやシャワー、トイレなどが部屋についているstudioを選ぶことも多いです。私は当初シャワーとトイレを2人で共有し、キッチンを5人で共有する学生用アパートにいましたが、1ヶ月後にstudioに移りました。
この理由としては、水回りを誰かと共有することが厳しかったこと、給料である程度の家賃を賄えることが大きかったです。そのため、学部や修士での留学とは主に滞在場所の費用面で異なることかと思います。
これらのことを念頭に置いた上で、一例としてスイスでの留学費用を見ていただき、参考になれば幸いです!
スイスでの生活:支出一覧
<月々の生活費>
カテゴリ | 金額 (現1CHF=140円) | 備考 |
賃料 | 1200 CHF | single studio: 電気・ガス・水道・光熱費・インターネットなど込み |
食費 | 約350 CHF | |
日用品費 | 約30 CHF | |
交通費 | 約70 CHF | SBBのHalf fare tax: 10 CHF (年間120 CHF (25歳以上からは185 CHF)÷12ヶ月で算出) 特定域内移動: 60 CHF |
健康保険料 | 61 CHF | 博士課程の学生用の保険 |
電話代 | 50 CHF | |
遊興費 | 約300 CHF | |
合計 | 2061 CHF |
ちなみに、大学のHPに掲載されている月々の生活費などの想定はこちらです(Google翻訳を使ったので訳が少しおかしいです)。
大学の想定よりも家賃がかかっているものの、雇用関係にある大学から事故などへの保険が既に提供されていることなどもあり、トータルでは範囲内に収まっています。博士学生の最低給与でも賄うことができます。
一時的な費用
月々の生活費とは別にかかる、一時的な費用をまとめました。
年間でかかる学費などに加え、一時帰国時の推定費用や渡航前の費用を載せています。特に、渡航前後の生活を軌道にのせる時期は一番お金がかかりました。
年間費用
年間でかかるものは以下の2つです。
・学費:200 CHF ×2学期
・航空費:一時帰国時、往復 900-1500 CHF)
学費は日本の国立大学の約1/10なので、この面ではかなり恵まれています。
一時帰国時の費用は航空代に加え、現在はPCR検査などでも追加でかかります。
渡航前の費用
日本にいる間に、入学料や学費、滞在先のアパート代などを支払いました。アパートは渡航前に1ヶ月で引っ越しをすることを決めていたので、2箇所目のアパートにも保証金を支払っています。
また、諸事情により渡航前に健康診断をしたほうがいいという判断で、検査もしています。
・入学料 100 CHF+学期分学費 200 CH F= 300 CHF
・保証金 600 CHF (1箇所目のアパート)
・家賃 804 CHF (1箇所目のアパート)
・保証金 2,200 CHF (2箇所目のアパート)
・片道航空券 61,550円
・健康診断 24,970円
・留学準備 Amazon(16,274円)、メルカリ(10,363円)
上記、合計額は642,814円(当時のレート)。修士を終えたばかりの人間にはとんでもない額でした。
アパートの保証金がすごい額ですが、何事もなければ退去時に戻ってきます(家探しや引っ越しについては、別記事のスイスでの家探しナビや祝!スイス初引越しをご参考くださいね)。
スイスの博士課程では給料が支払われるということですっかり安心していたのですが、まとまったお金が必要になるのは渡航時です。こういった際に、無利子または返済不要の奨学金を利用することも一つの手だと思います。また、引っ越しなどを最小限にとどめて無駄にお金を動かさないことも大事です…(反省)。
お金をつかわないように工夫すれば、25〜30万円に抑えられる(それでも高い)と思います。
スイスでの生活費を安く抑える案
生活の質を落とさず、生活費を抑えるにはどうしたらいいかというのを常々考えています。ラボメンバーの中には食事を1日2食で済ませる人もいますが(単に体質だと思う)、私の場合は食が大事なので、食費や日用品類にかかるお金はなるべく削りたくないなと思っています。
・家賃
一番大きな固定出費なので、どうにかできるのならしたいのも事実です。
ルームシェアであれば600 CHF程度に抑えることも可能ですし、家具付き物件で滞在時の家具などを増やさなくていい物件もあります。アパートごとのルールや立地、何よりフラットメイトとの相性によりけりです。
1人暮らし用の物件(studio)になると、900 CHFは超えてしまうと思います。水道・ガス・光熱費・ネット環境などの整備が別に必要となる可能性もあるので要チェックです。
私は全て込みで1200 CHFでして、ラボメートの中にはカップルで800 – 900 CHFの部屋で同居している人もいます(諸経費は別の可能性)。博士課程の学生だと、やはり日本のアパートのように水回りも全て占有できる部屋がいいという人が多い印象です。
・電話代
私はチューリッヒ空港を降り立った瞬間にsunriseでunlimitedのプランを契約しました。しかし、wifi環境でしか使わなかったり、もっと安いプランがあったりするため別のところに替えることを検討中です。場合によってはこれで30 – 40 CHFほど変わる可能性もあります。
まとめ
スイスでの生活の質は日本とさほど変わりませんが、物価が世界一高い国であることならではの悩みもあります。日本の感覚で計算すると、どうしても安さを求めてしまい結果的に詐欺に遭う可能性も高まります。周りを見て現地での標準的な値段を考慮しつつ、できる範囲で節制したいものです。
また、スイスの博士課程での待遇面などを知りたい方は“スイスの自然科学系の博士課程 、”Life Science Zurich Graduate School”とは?−1"をご参考くださいね!現地で給与をもらえる分には、スイスでの生活はそこまで大変にならないはずです。
今後は現在のラボでの研究生活などについてもお話ししたいと思います。
それではまた!