そろそろD3。恐ろしや

こんにちは、管理人のおもちです。久しぶりに何か書いてみようかと思ったものの、内容が思いつかずド直球タイトルになりました。来月の8月15日に正式にD3になります〜。泣いた。

海外博士課程、2年間を終えての所感

2022年5月にスイスへ渡航し、その年の8月から公式的に学部に受け入れられたPhD学生になりました。その後2年が経ちまして、研究面・生活面・語学面で思ったところを書き連ねます。

研究面

ありがたいことに、日本にいた頃に比べて制度面でも財政上もより整った環境でのびのびとやらせてもらっています。特に成果はなくてボスには申し訳ないです、ハハハ

毎年Annual reportとしてプロジェクトの進捗状況や学会への参加実績を学部に提出しなければならないのですが、書く内容があることに今年もほっとしています(参照:D2への進級と年間報告書)

個人的には学内から国際学会まで幅広く学会というものに参加させてもらえることが結構嬉しいです。もちろんスクープされることを嫌って参加しない人もいますし、単純にその時間に実験したいという人もいるので人それぞれですが、発表の機会があることはモチベの維持につながっています。

論文を書くまでにはあと2年くらいかかりそうですが、心身の健康を大事にのんびりやれればなと思います。正直どんなに多く見積もっても週50時間以上は働いてないです。

ラボ探しで重要なこと

PhD学生として、新たな応募者と面談することも多くなっているのですが、アジア圏からの学生さんはラボのプロジェクト内容を主に見て応募してくる印象です。一方、ヨーロッパの学生さんはラボの雰囲気を重視している人が多いように思いました。

当然、好奇心ドリブンでも全く問題はないのですが、可能であれば海外の博士課程やポスドクでのラボ探しの時はその雰囲気も見ておいたほうがいいように思いました。また、他のラボからそのラボがどう見られているかも大事な要素になりそうです。

というのも最近、組織内での心理的安全性についても思うところがあり….。現ラボや近隣のラボでは何かしらの機器が壊れた時やトラブルが発生した時も、PIが表立って犯人探しをしたり個人を責めたりすることがないのが本当に精神的に楽です。そして揉め事があった時にPIが最終的な責任を引き受けるという、当たり前のことがきちんと行われるのが本当にありがたいです。

総じて、ラボの文化やPIの気質や姿勢が自分に合うかどうかが、テーマが自分に合うよりも重要なのでは…?と思った次第です。潰れてしまったら元も子もないので。

生活面

目新しさはもう何もないです!そもそもスイスは日本とすごく似てました!あと博士学生の生活なんてラボと家との往復で終わります。しかし海外の博士課程学生として重要な点はいくつかありました。

強いていうならスイスは良いぞ

近隣諸国に比べると国としても留学先としても知名度に劣るスイスですが、正直私にとっては最良の選択をしたのでは?と思っています。

<日常面>
・電車やトラム、バスが(それなりに)正確に来る
・街が清潔
・英語が通じることが多い
・人種差別への遭遇頻度がかなり低い(2年間で一度もない)
・人が(それなりに)親切
・湖や川がとても綺麗でちょっとした余暇に最適

<研究面>
・国が小さい割に競争力のあるラボや大学がある
・中欧に位置しているためヨーロッパを移動しやすい
・物価も高いが給料も高い

特に人が穏やかで差別に遭うことが少ないのは、日常生活を普通に送る上で大事だと思います。研究でストレス抱えがちなのに、ラボ行ってスーパー寄って家帰るだけでいちいち突っかかられたらやってらんないですよ…..。

難点としては、特にスイスのドイツ語圏の方はあんまりお洒落さというか洗練された感じがないのと、食があまり豊かでなく、かつ海鮮が非常に少なくて高価なことですかね。

あとやることとしては、もっとチーズの種類を試してみるつもりです!あと近隣諸国への旅行もぼちぼちしていきます!スペインとかポルトガルとか行ってみたいです。

語学面

ようやく平均に追いついた(気がする)英語

日本の大学受験を潜り抜けた民なので、読み書きはできるけどリスニングは苦手、スピーキングはもっと苦手という典型的な能力値で博士課程は始まりました。おまけにみんな訛りあって聞き取りづらいしね。

渡航してから1年ほどは、もう間違いなく自分がこの学部のPhD学生の中で一番下!ド底辺!と思いながら過ごしていました。これで喋らなくてもいいようなプログラム内容だったらそれでも良かったのかもしれないのですが、現ラボではとにかくコミュニケーションが求められたり実習をやらされたりなどアウトプットの量が膨大。

やらざるを得ない状況に突っ込まれた結果、2年経ち博士学生としてこの学部で平均くらいの英語能力はあるかな….という印象です。検定したことはないですがB2-C1あたりをうろちょろしてるんじゃないでしょうか。(参照:海外博士課程で必要な英語力?)

宇宙関連や史跡関連の話になると単語がまず出てこなくて辞書片手〜になってしまうのを克服したいなあと思ってはいます….。そろそろ英語単語を詰め直す時期ですかね ((((やらない))))

ひよこのドイツ語

永遠にA1-A2を彷徨っています….。しかしラボや学内での手続きは全て英語、銀行や許可証の手続きにとどまらずスーパーの店員さんも英語ができるこの環境は甘えてしまいますね〜。だって何も不便じゃない。

スイス国内も当然、地域によっては特定の言語のみ(ドイツ語、フランス語、イタリア語)のこともあるんですが、ベルンで博士学生として日常生活を送る中では言語で困ったことがないです….。完全に言い訳ですが、人間、追い込まれないとやらないんですよ!

(スイスドイツ語とはいえ)ドイツ語圏にいる身ですらこれなのに、日本で別の言語を習得しようとしてる人たち全員尊敬します。

海外博士課程、今後の予定

D3になったからといって何かが変わるわけではないです。そもそも最終年度ですらないので…(現大学は平均4年、max 5年)。来月には研究となんの関係もないサマースクールにも行きます。

ただ、今年の秋には博士プロジェクトの中間審査があり、そこで内部の先生方から審査を受けます。今からちょっとドキドキしてます…

11月には学会へ参加しに日本へ帰る予定です。学会の内容も私のプロジェクトに密に接しているので、今からどんなディスカッションができるのか楽しみです。それではまた〜