スイスでの家探しナビ
こんにちは、管理人のおもちです。
今回はスイスへ留学・滞在する際の住宅事情や家探しについて書いていきます。短期出張や学会などであればホテルをとってもいいのですが、長期滞在や留学となると住む場所を探さなくてはなりません。空室率が低く家探しが最難関のスイスを知れば、ヨーロッパ各国での家探しにも使える戦略にもなりますよ。
スイスの住宅事情
スイスの賃貸住宅探しは本当にとても大変です。値段は高いし空室は少ないという二重苦で、しかも言語の壁もあるので留学生の家探しは困難を極めます。
2021年10月13日に発表された空室率を見てみると、同年6月でスイス全土で1.54%(参照:Number of vacant homes in Switzerland drops for first time in 12 years 16/09/2021 BY LE NEWS)。
東京の場合、2021年9月の段階で東京全域で13.15%、東京23区だけだと11.96%です(参照:investment mogecheck.jp media)。スイスで家探しをするほんの少し前に関東圏で家探しをしましたが、これを見ていかにスイスの空室率が低いかを理解しました…。
もちろん、カントン(州)によっても空室率は異なります。一番高い空室率だったのがSolothurn(ゾロトゥルン:バーゼルとベルンの中間にある)で3.15%、一番低い空室率の州はZug(ツーク:チューリッヒの下にある)で0.34%でした。次いでジュネーブが0.51%、チューリッヒが0.72%で、バーゼルは1.10%という順番になっています。
駐在員や留学生の多いジュネーブやチューリッヒ、バーゼルは、やはり人が多いだけに空室率がかなり低くなっています。会社や学校などがサポートしてくれる場合は別として、自力で家探しをしなければならない場合、困難に直面することは必至です。
留学・滞在時の家探し戦略
重要なのは、短期滞在するお部屋をまず確保すること!
最初の1ヶ月〜数ヶ月間滞在できる場所を探し、そこから本格的に年単位の長期滞在先を検討する方法がよく取られているようです。日本ではアパートの一室を借りるか入寮するかのどちらかが多く、日本人としての家探しはダイレクトに決められますが、海外となると現地に行かずして長期滞在先を見つけることは難しいです。
短期滞在先の選択肢
・大学の寮
一番オススメされるのはここですが、スイスの大学には寮がほとんどなく、空くことも稀です。そのため寮探しをするよりも、大学提携の学生用アパートが良いでしょう。
・大学提携の学生用アパート
事務局にオススメされる傾向が高いのがこのアパートです。アパート自体は2人でトイレ/バスルームを共有し、1人部屋を持てるシェアハウス型や、水回りを共有しないstudioタイプの部屋で構成されています。家賃は600 CHF〜1200 CHF程度です。部屋のタイプや立地によって変わります。
PhDの学生は基本的にここを経由して、土地に慣れてから次の滞在先を探すと言われました。ラボメートからの評価は高くなく、長期滞在には向かないとのことでした。しかし留学のファーストステップとしては最も信頼度が高いと思われます。
・シェアハウスへの申し込み
シェアハウスは、通常3〜4人で一つのアパートを借ります。1人部屋がそれぞれあるところもあれば、ないところもあります。私の場合は1人部屋がありキッチンやトイレ、バスルーム、リビングを共有するような形態のシェアハウスを探しました。値段はおよそ400CHF〜900CHFでした。
シェアハウスを見つける難易度は、その他よりも低いようですが、それでも運に左右されることが多いです。シャアハウスの場合、その部屋に前から滞在する人に応募者の中から選ばれなければなりません。聞くところによると、一日十数通ものメールが来るのだとか。その土地に知り合いがいて、その人がルームメイトを募集している場合はすぐに決まる可能性があります。
・Airbnbで貸し部屋を見つける
これはオススメしません。EU圏内の学生であれば問題ないのかもしれませんが、日本人にとって信頼できる住居ではありません。最初にお部屋探しをしようとした際に、ヨーロッパ人のラボメートにおすすめしてもらったのですが、その後大学事務局にAirbnbで貸部屋を借りてもいいかを確認したところ、やめてくれという返事が来ました。
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短期滞在をして、自分の住む土地のことがある程度わかってきたら、今度は長期的に滞在できる場所を探します。PhDなどで数年単位で行くことになる場合には論文執筆などで集中できる環境も必要でしょう。また、スイスではそれほど規制がかかっていませんが、コロナ禍で家にいる必要が出てきた時にも、快適な環境は必須です。
長期滞在先の選択肢
・シェアハウス
上記の通り競争率は高いですが、それでもどうにか見つけられる印象です。面談なども行いますが人との相性はやはり住んでみるまでわかりません。
いいルームメイトを持てたとしても、何年も同じ人が住む保証はないことが注意点です。実際、3人のルームシェアで1人が土地を離れたので新たなルームメイトを募集しますという広告をよく見かけました。それでも、ルームメイトと仲良くなれる可能性があり、合わなければまた探すという方法をとるのであれば良い選択肢になるでしょう。
・Studio
値段はシェアハウスよりも高めになりますが、1人で水回りを使えるのは大きなメリットです。他人との共同生活がストレスになりそうな人はstudioがオススメです。逆に、帰ってきてから誰かと話をしたい、とか交流したいという希望があれば、studioではなくシェアハウスで探す方が良いでしょう。
私はStudioを今後探していく予定ですが、「長期滞在先を探す&1年以上住んでみる」を経てまた記事を更新していこうと思います。
住まい探しの時期
住まい探しの時期は、渡航3ヶ月前からは遅くとも申し込みを行うべきだと思います。
私は渡航7ヶ月前には住まい探しに関する情報をもらっていたにも関わらず、いつ住居を探すのかわからずにぼんやりしていて渡航1ヶ月前に居住地が決まっていないという事態に。事務局や教授を慌てさせました。物件情報を見ると、半年先のものまで載っていますし、短期間で物件を決めようとすると詐欺にあう確率も高くなるので注意しましょう。
特に、就労する場合Permit Bを発行してもらう必要があるかと思いますが、この許可は労働契約書などの他に、住所がないと申し込めません。何を当たり前のことを、と思う方はそれで大丈夫です。私のように、許可証が発行されてから渡航するものだと思い、住居探しを遅らせてしまうようなことをしないでほしいです…。
個人的な経験談
結論から言うと、留学する土地にきちんとした縁がない場合は、とにかく大学の事務局が薦めるところにしたほうがいいです。
私の場合、個人貸主とやりとりして契約一歩手前までいったものの、詐欺の可能性を捨てきれず事務局に連絡しました。その結果として、事務局が最初に提示していた学生用のアパートになぜ申し込まないのか(実は申し込んではいた)を問い詰められ、渡航前に信頼を失いそうな状況になりました。結局、学生用のアパートに入居することとなり、本当に大変でした。
渡航前の最重要ポイントは事務局側が安心できる居住地を確保し、できる限り安全に契約&移住を完了することです。親切なことに、ラボメートたちから色々な情報をもらって自分自身でも調べますが、はっきり言って日本からスイスの最難関住宅事情に飛び込むのは無謀だったと思います。しかも渡航前1ヶ月という短期間で…。無計画すぎるので、おやめください。
まとめ
スイス留学での家探しは、予想以上に大変です。
不慣れな留学生をカモにする詐欺なども起きている(参照:日本大使館HP(2017))ため、お金(deposit)を払ったのに渡航後に家がないなどの悲劇にあいかねません。それを防ぐためにも、自分が信頼できる人(大学/事務局/個人的な知り合い/研究室の人)を頼り、不安に思ったら立ち止まって助言をもらうことが大切です。
個人的な経験の詳細は、また後ほどブログとしてあげていこうと思います。スイスの大学院に留学することとなった経緯についてはこちら、大学院についてはこちらからご覧になれますので、よければ見ていってくださいね!
それではまた!